長年、不動産業に携わっておりまして、さまざまな建物の有り様を見てまいりました。昔からの木造住宅を長く引き継いで、リフォームやメンテナンスをしながら愛着ある住宅を守っていくといったことより、最近では新しく簡単に住宅を建て替えていく姿をよく見かけます。また、相続等に伴い、あちこちで空き家が増えてきています。先祖より受け継いできた建物なのに「県外に移住していて家の管理ができない」「盆と正月には帰省するが、日々の管理はなかなか難しい」といった声を多く聞きます。そうした中で、古い住宅や空家をなんとか有効活用する方法がないかと思案しておりました。

　私事ながら、趣味として茶道という世界に飛び込み、長年お稽古をさせていただいております。かれこれ４０年ほど経過しましたでしょうか。「無」になれる時間、そして現実の生活から離れた奥深い「空間」。そのような空間を多くの人に味わっていただきたいと思い、「空き家と空間」をつなげてみました。

　今回、提案させていただき、広めていきたい事業は、空き家や古民家を、レンタルハウスとして活用し、借りる人も貸す人も空き家も幸せになる事業です。新たな感性が芽生え、いろいろな趣味の世界も広がっていくことと思います。さあ、みなさんも多様な空間を利用して楽しい時間を作ってみませんか。